2015年度民美 入所式 特別講座 私の創作体験
熊谷 榧 「山と雪と人」を描いて 65年
「わたしの絵の歩み 」
わたしが小さい時から、絵かきさんが父に絵を見てもらいに家に大勢来ていた。人間はみんな絵を描くものと思っていたくらい。絵を描き始めたのは3才頃だろうか。そんなに絵が好きだったのに敗戦後あまりの食糧難に科学の力で役立とうと絵の学校に行かなかった。しかし物理や数学もものにならず、大学卒業後また絵に舞い戻った。
最初父の油絵を貼り絵にしていたが、人の絵ではつまらないと、山スキーで描いたスケッチで貼り絵をするようになった。しかしあまりにも色が変わるので徐々に油絵になった。キャンバスに白で厚く下塗りをして、線でスケッチを描き、乾いたら薄く溶いた青とか赤の一色で二度目の下塗りをする。色が濃くでた線を残して色付けをしていく。このやり方は誰に習ったわけではないのだが、ずっとこの描き方で86才の今まで油絵を描いてきた。
201 5.25.2 熊谷 榧(くまがいかや)
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