■ 民美講師によるコラム - 031
2011/05

「カエルの箱舟」 窪田旦佳

 田んぼに水がはられる季節になると、カエルの鳴き声がうるさいくらい聞えたものである。
 また田んぼのそばの道路上には車にひかれたカエルの無惨なスルメの様になった姿が多く見られた。
 しかし、最近ではこんな光景は殆んど見られなくなって、カエルの姿はめっきり減ってしまったようである。
 カエルのような両生類は環境の変化に敏感で環境汚染やその破壊を知るバロメーターになる。
 炭坑などのガス危険予知に使われたカナリヤのように環境の変化を予知してくれる生きものの一つである。
 近年カエルやサンショウウオ等の両生類は生息地の破壊や、地球温暖化、ツボカビ感染などの原因で、120種以上が絶滅したそうである。約6000種の両生類の1/3から半数に近い数が将来絶滅してしまう、と予測する人もいる。
 このようなカエルの減少を救うプロジェクトが上野動物園など都内の4つの動物園や水族館で2008年に発足した。
 「カエルの箱舟」である。
 カエルをどのような方法で救うかという具体的な方策は専門家にお願いするとして、カエルを救いたいという気持ちと、カエルたちのような小動物の住処を少しでも確保して、豊かな自然の回復を願う絵を描きたいと思った。明るい白日のもとにしのびよるカエルの受難を描くには、明快な色と形で表現したい。

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