■ 民美講師によるコラム - 027
2009/09

「希求」「浮遊する」 遠藤欣子

 この目まぐるしい世の中ですから、もう記憶も薄れている方もいらっしゃるかと思いますが、去る7月22日、40数年ぶりという皆既日食の鮮烈な印象は(私はテレビで見るのみでしたが)今でも、時々私の心に浮かびます。
“以前見て人生観が変わった”と語る方もいらしゃいました。
そして、画像を見ながら、私が思い浮かべたのは、以前聞いた北米先住民ホピ族の人達のことでした。
 ホピ族の男子は14歳で成人式を迎えるそうです。その式とは、原野に穴を掘り、その中でたった一人4日間を断食して過ごすのだということです。
 “小さな死を体験させること”―そして4日間に感じ考えた事柄をすべて正直に話させる。これが成人式だと聴いて、私はその知恵の奥深さにとても感銘しました。
 狼も住む原野ですから、実は遠巻きに隠れて大人達がしっかり見守っているとのこと、俯瞰して眺めれば、ちょっとユーモラスでもあるこの図の、なんと温かく豊かなことでしょうか!
 この話は、折りにつけ私の心に去来しています。

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作品:「希求」 S40
「浮遊する」 全紙